店舗の印象を大きく左右する、壁の仕上げ。
クロスや塗装、左官、木材などさまざまな選択肢がありますが、
今回はOSB合板をグレーに塗装した壁をご紹介します。
OSB合板は、細長い木片を一定方向に重ねて圧着した木質ボードです。
木片がランダムに重なったような独特の表情があり、
そのまま使用すると木の素材感が強く、少しラフでカジュアルな印象になります。

今回のデザインでは、このOSB特有の表情を活かしながら、
空間全体に馴染むようグレーで塗装しました。
OSBは一般的な平滑な壁とは異なり、塗装をしても木片の形や凹凸がうっすらと残ります。
そのため、単純な「グレーの壁」ではなく、見る位置や光の当たり方によって木の表情が感じられる、少し奥行きのある仕上がりになります。

今回、色を決める際には塗装屋さんとお客様にも現場でお立ち会いいただき、
実際の壁に色をのせながら調整を行いました。
色見本だけで決定するのではなく、
店舗の照明や周囲の素材との見え方を確認しながら、少しずつ色味を調整しています。
実は塗装の色は、小さな色見本で見る場合と、大きな壁面に塗った場合では印象が変わることがあります。
特にグレーのようなニュアンスのある色は、
照明の色温度や自然光、隣り合う床・家具の色によって、青みがかって見えたり、反対に少し暖かく見えたりすることも。
そのため、今回のように空間の中で大きな面積を占める壁については、
可能な場合は実際の現場で確認しながら色を決めることも大切にしています。
無彩色のグレーにほんの少しのイエロー、レッドを足したりしながら調整を重ねていきます。
撮影壁に取り付けるロゴもアクリルのようなツルッとした質感ではなく、
木板を切り抜いた文字で質感を合わせました。

OSBの素地の色合いも可愛らしいのですが、ここから全体に色をのせていきます。

無機質になりすぎず、かといって木の印象が強くなりすぎない、
素材感と洗練された雰囲気のバランスを意識した壁面になっています。
一見するとグレー単色に見えるかもしれませんが、
ささやかな木の質感が上品さとカジュアルを両立させる仕上がりです。

店舗内装では、同じ「グレーの壁」でも、
ベースとなる素材や塗装方法によって空間の印象は大きく変わります。
仕上げ材そのものの特徴を消してしまうのではなく、
素材がもともと持っている表情を残しながら、空間全体に合う形へ整えていくこと。
今回も、実際の空間の中で色を確認しながら調整を重ねることで、
OSBの素材感とグレーの落ち着きがほどよく馴染む壁面に仕上がりました。
これからも、素材の良さやその場所らしさを大切にしながら、心地よい空間づくりをしていければと思います。
最後までご覧下さりありがとうございます。
皆様とまたここでお会い出来ますように。













